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本紹介

本紹介#20「だれもわかってくれない」傷つかないための心理学

こんにちは、nonoです。本日ご紹介したい本は、ハイディ・グラント・ハルヴァーソンさんの「だれもわかってくれない」です。

人間の悩みの大部分は人間関係の悩みと言います。その中で、どうして周りは自分の苦しさや大変さをわかってくれないのだろうと、思い悩むことはないでしょうか。

私自身がそういう人間です。そういう方にぜひ本書の考え方を知ってもらえると、少しは生きるのが楽になるかもしれません。

ハイディ・グラント・ハルヴァーソンさんとは

コロンビア大学ビジネススクールでモチベーション・サイエンスセンターの副所長をされているそうです。コロンビア大学で社会心理学の博士号を取得され、モチベーションと目標達成の分野で第一人者として活躍されているそうです。

私が以前ご紹介した本「人に頼む技術」の著者でもあります。「人に頼む技術」には、個人的にとても救われた思いです。

人間関係における心理学のスペシャリストということですね。

この本をどうして読みたいと思ったのか

私がこの本を読みたいと思ったモチベーションとしては、次の3つがあります。

  1. 知らず知らずのうちに、私は他人からの評価や理解を求めすぎているのかもしれない。苦しさの原因になっているかもしれないと感じていました。とても興味を惹かれるタイトルでした。
  2. 他人に自分を理解してもらいたいと思った時に、他人と自分の間で認識の違いがあるかもしれない。どうして、他人は自分を理解してくれないのかを知りたい。
  3. 最終的には、他人が自分を理解してくれなくても、傷つかない人間になりたい。お互いの認識の違いを理解すれば、それだけでも、下手に自分が傷つく必要がなくなるのではないか。本書にそのヒントがあるのではないか。

いきなり精神力が強くなることは難しいです。しかし、理解することで考え方が変わり、生きやすくなると私は思っています。

今までの、本を読み、自分の中で腑に落ちる考え方を学ぶことで、精神的に癒されてきました。それによって、周りの環境は変わっていなくても、自分の考え方が変わることで生きやすくなってきたように思います。

本書も、人間関係における誤解を理解することで、そのヒントが得られるのではないかと思います。

人間は相手を自分の都合よく解釈する

人間は想像以上に、他人を理解することができない存在です。

しかし、同時に「理解できない状態」というものにも耐えることができません

理解できない人が周りにいたら怖いと思いませんか?それが仮に両親や兄弟だったとしても、本質的には理解不能な他人であることは変わりません。

ゆえに、仕草とか、しゃべり方などの外見はもとより、他人の噂など信憑性があいまいなことも活用して、すでに知っている情報を元に、わからないことを勝手に補完して判断をしてしまうのです。

だから、自分が思っているパーソナリティは、ほとんど相手には伝わらないし、相手は誤解をするのです。

さらに、人間は基本的には面倒くさがりなので、一度印象を判断してしまうと、どうせ他人のことはよくわからないので、第一印象を変えるという努力をしません。その第一印象をずっと使い回すことになります。

したがって、非常にあいまいな情報から判断した他人の印象であることから、相手を誤解してしまうことになるのですね。

人間の認識には2つのフェーズがある

・フェーズ1 思い込みにより自動的に他人を判断する。バイアスや思い込み、ステレオタイプ、カテゴリーでの自動的な判断をするフェーズです。

・フェーズ2 最初の印象を努力して修正する。自分から積極的に考えて真実をつかもうとするフェーズです。かなりクリティカルシンキングが必要で、自分の認識を疑いながら情報を整理して判断していく必要があり、かなりの努力が必要です。

人間の認識は労力をケチるので、このフェーズ1で止まってしまうことが多々あります。特にほとんど利害関係のない赤の他人に対してフェーズ2まで行うのは、よっぽど変人か、シャーロックホームズのような人かもしれませんね(笑)

私自身に置き換えて考えても、他人を判断するのにこのフェーズ1で止まることが多い気がします。

したがって、だいたいの人は、他人を誤解して認識することになります。さらに、当たり前ですが人間は自分の人生を生きるのに精一杯です。ゆえに、ストレスがかかっていたり、他の重要なことに気を取られていたら、余計にフェーズ1でストップすることになります。

この「他人は、相手を判断する情報はかなり曖昧であるため、そもそも誤解をするにもかかわらず、原則としてその認識を改めようとはしない」という事実は、逆に言うと、

  1. 第一印象はかなり大切であること
  2. もし最初に誤解されてしまったり、第一印象が悪かったりした場合、それを覆すためには自分から積極的に他人に働きかけなければならない。

ということを示していると思います。

少しでもお互いを分かり合うためにはどうしたらいいのか

このように、相手に自分を理解してもらうということについて、相手の不断の努力(フェーズ2)を期待してはいけませんね(笑)

私だってわざわざ相手を理解するためにそれほどの労力をかけられていません。

ゆえに、相手に自分を理解してもらうためには、自分からの積極的な働きかけが必要になってきます。それにはどのような方法がるのでしょうか。

本書には、具体的な働きかけの方法についてもたくさんヒントがありますので是非読んでいただきたいのです。

大切なことは、人間は必ず誤解する。その誤解の仕方にはいくつかのパターン(レンズ)があり、それを知っていることが重要です。それぞれの誤認のパターンに合わせた対応が必要になります。

私の忘備録として、印象的な3つの人間の認識のパターン(レンズ)についてまとめました。

①信用のレンズ。

 相手を安心させるためにできることを行う。人間が人を信用するかどうかは「人間的な温かみ」と「能力」の2つであることを理解しましょう。それを伝えるポイントは、 

 1つ目は「人間的な温かみのあることを伝える」。

 2つ目は「どんな能力があるかを伝える」。

 3つ目は「意志力のあることを示す」。

 となります。

②パワーレンズ。

 権力を持つと人は必ず変わります。上司(権力者)があなたに興味関心を持つのは、そうすることが自分の目標達成のために約に立つときだけであることを理解しましょう。

 権力者は、基本的にはあなたに興味はなく、きちんとした認識はしてくれません(笑)。

 したがって、あなたが権力者に理解してもらうためにするべきことは、権力者の目標に対して何ができるのか、あなたを理解することが権力者にとってどのような利益があるのか、をしっかりと伝えることです。

③エコレンズ。

 人間は、自分が優位になるように物事を見ます。ゆえに、あなたが自分の価値を脅かす存在だと思われたら、あなたにとって厄介な障壁となるかもしれません。あなたが活躍できないように邪魔をしてくる可能性があります。

 したがって、このような他人に対しても、「敵ではないし、脅かすこともない。」ということを伝えていく必要があります。

 そのためにできることは、

 1 謙虚にふるまう

 2 相手を肯定する気持ちを伝える

 3 「あいつら」から「自分たち」と仲間であることを認識してもらう

 となります。

まとめ

私が本書を読んで、大切だなと特に感じた点をまとめてみました。

実際に本書を読んだときには、人によって感じ方、考え方は異なると思います。

しかし、とても良いヒントを与えてくれる本だと私は思いますので、人間関係に悩みを持たれている方はぜひご一読いただきたい本です。

ご参考になりましたら幸いです。