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本紹介

本紹介#5:「人に頼む技術」

こんにちは、nonoです!

最近読んだ本でとても良いものがありましたので、また紹介させてください。その本とはコロンビア大学のハイディ・グラントさん「人に頼む技術」です。

人に頼むのは死ぬより嫌だ、と考えることがある

「人に頼むより死んだ方がましだ。」という言葉を聞いた時、どう感じますか?

困ったときに人に頼むのは当たり前じゃないか、人に相談しないその人が悪いんだと思いますか?

私は、どちらかというと「人に頼むのは、ある意味死ぬより難しい」と感じることがあります。

例えば、仕事で困っていることがあっても、先輩や上司も忙しそうにしていて、自分ももっと調べれば解決できるのではないかとか、こんな低レベルの質問したら失望されたり、相手にしてもらえないのではないか、という風に自分を責めて質問ができないことがあります。

仕事以外でも、例えばお役所にいって税金や申請について質問するという場面でも、ドギマギしてしまうことがあります。

意外とそのように感じる人は多いのではないでしょうか。

この本を読むことで、

  • 人に頼むことをこれほど恐れる理由は何なのか
  • 人に頼んでも断られると考えてしまう理由(頼む前から断られると考えてしまう)
  • 「良い頼み方」と「ダメな頼み方」の違いは何か

を学ぶことができます。

人に頼むことを恐れてうまくできない、人に頼むより自分で調べてなんとかしてしまうことに慣れてしまっているけど苦しんでいる人、どうやったら人に頼むことで、むしろお互いの信頼関係が高まってよい人間関係を構築できるのか知りたい、という人などにはぜひ一読していただきたい本です。

なぜ頼みごとをするのは難しいのか

脳が感じる社会的な痛みには、現実の痛みとして次の5つの痛みがあるとのことです。

  1. 「ステータスへの脅威」への痛み
  2. 「確実性への脅威」への痛み
  3. 「自律性への脅威」への痛み
  4. 「関係性への脅威」への痛み
  5. 「公平性への脅威」への痛み

ざっくりとまとめますと

①「ステータスへの脅威」とは、他者との比較したときの自分の価値や重要性の認識のことで、周りから自分がどれくらい尊重されているかを図る尺度です。自分の「ステータス」に自信がなければ、周りの人に相談するのは苦痛に感じるかもしれませんね。

②「確実性への脅威」とは、人は”未来を予想したい”という生まれながらの強い欲求があります。他人への依頼が叶えられるというのは、他人次第であり、不確かなことを行うのは億劫になりやすいです。

③「自律性への脅威」とは、「確実性の脅威」にも関連するものですが、人は実際のところ”未来を予測する”だけでは十分ではありません。予測できた未来にうまく対処できて初めて安心感を得られます。つまり、物事を自分の思い通りにコントロールしたいという欲求があります。他人のことなので、自分のコントロールの範囲外のことになるため、これも他人へ頼むことを阻害する要因となりえま。

④「関係性への脅威」とは、集団への帰属意識や他者とのつながりへの不安です。自分がその集団にうまく溶け込んでいて、集団や他者から受け入れられているという感覚が低ければ低いほど、頼むことは難しくなります。①のステータスとも絡み合ってきますね。

⑤「公平性への脅威」とは、人は公平に扱われることに非常に敏感です。不公平に扱われていると感じるくらいならば、自分が不利益を被ってでも、他人を貶めようとすることもあります。

人に頼む場合、これら5つの社会的痛みを感じる可能性があり、これらの苦痛から人に頼むのが非常にネガティブなものと感じてしまうことがあるのです。

私の個人的な感覚としては、この5つの社会的痛みはかなり根源的なもので、単純に「人に頼む」という行為以外にも、集団の中ではストレスを感じやすい性格や、心配性の性格の人の不安の原因としても、非常に示唆に富むものだと感じています。

良い頼み方とダメな頼み方

この本を読んで意外に感じることの一つとして、「人は意外と他人を助けたがっているのだ」ということが示されていることです。

人は思ったよりも親切だし、他人を助けることは、自分の自己認識として自尊心を高めてくれるため、幸福感も感じることができる行為だからです。

ただし、人を助けることで幸福感を感じるためには大事なポイントがあります。それは、

  • 自発的な行動であること(相手にコントロールされたものではないこと)
  • 自分の行動に有効性を感じることができること
  • 自己犠牲的な行動ではないこと

です。

実はこれらのことを意識することで、「良い頼み方」と「悪い頼み方」が分かれるのです。

私の忘備録をかねて、ポイントを列挙しますと以下の通りです。

「ダメな頼み方」のポイント7つ

  1. 共感に頼りすぎる
  2. やたらと謝る
  3. 言い訳をする
  4. 頼み事の内容の楽しさを強調する
  5. その頼み事は些細なものだとアピールする
  6. 借りがあることを思い出させる
  7. 助けられたことの自分にとってのメリットを強調する

いかがでしょうか。私は、この7つがダメな頼み方だったとは非常に意外でした。ついついこの7つの頼み方をしてしまっているのではないでしょうか。

「良い頼み方」のポイント3つ

  1. 「仲間意識」を活用する
  2. (頼まれる人の)「自尊心」を刺激する
  3. (頼まれる人の)「有効性」を感じさせる

となります。

つまり、良い頼み方とは、相手が気持ちよく人を助けて、それによって自分の自尊心や自己認識が向上するような頼み方をする、というのが非常に重要なポイントになるのです。

他人にお願いをするときには、自分の都合やメリット、自分の喜びを強調するのではなく、忙しい中でも助けてくれたその人が素晴らしいんだよ、と思ってもらえるような頼み方を心がけたいですね。

助けを得るための準備も大切

もう一つ、助けを得るための大切なポイントがあります。

「人は意外と親切であり、助けたがっている」ということを記載しましたが、それでは、なぜ人は積極的に相手を助ける行動をしていないのでしょうか。

実は、「他人が助けを求めていることがわからない」からなのです。

むしろ、余計なお節介をして迷惑がられるのではないか、ということを恐れていることもあるのです。

つまり、私たちが助けを求める・他人にお願いをする前準備として、まずは自分が「困っている」ことや「助けを心から求めていること」を相手に気づかせる、ということがとても重要なファーストステップになるのです。

本書で述べられている「必要な助けを得るための四つのステップ」は次のようになります。

  1. ステップ1:相手に気づかせる
  2. ステップ2:助けを求めていることを相手に確信させる
  3. ステップ3:助ける側は責任を負わなければならない
  4. ステップ4:助ける人が、必要な助けを提供できる状態でなければならない(自己犠牲ではない状態)

このことをちゃんと意識することも「人に頼む技術」を習得するために非常に重要だと思います。

まとめ

私自身が、人に頼むことをひどく恐れていて、最初から断られると考えてしまう人間でした。今もまだ、その無意識の思考がなくなったわけではありません。

私はエンジニアとして、いろいろ技術的な問題にあたると、調べたり試したりして解決していかなければならないことが多くあります

そんな中、今までは自分一人か、上司・お客様一人との小さい関係の中で解決できる仕事が多かったので何とか、自分一人でも解決していくことができていたのですが、最近大きなプロジェクトのリーダにならざるを得なくなり、わからないことや作業量も多く、どうしても人を頼らざるを得ない状況となりました。

しかも、関係者が多く、仕事の技術レベルも今までやったことがない内容なので、人間関係と仕事のスキルと非常に大きなストレスを抱えています。

そうなってくると、部下ではない人にも、いろいろなことを頼る必要があり、人に頼むことに慣れていない私はとてもパニックになっていました。

そんな中で、この本を読むことで、人に頼むことは技術であり、その技術は身に着けることができるのだと理解することができました。この本を読んで、かなり精神的に助けられています。

今はプロジェクトを進めるために、できる限りこの本の内容を参考にして行動するようにしています。そのおかげも要因の一つであり、何とか順調にプロジェクトは進んでいるように思います。

「人に頼むこと」は、持って生まれた才能ではなく、身に着けられる技術であることが、この本で理解できるようになると思いますので、「人に頼むこと」に困っている方は、ぜひご一読いただけたら幸いです。

今日もどうもありがとうございます。