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本紹介

本紹介#13「失敗の科学」失敗から学習する組織、学習できない組織

こんにちは、nonoです。今日おすすめしたい本は、マシュー・サイドさんの「失敗の科学」です。

失敗から学習する組織、学習できない組織について、さまざまな実例を交えながら解説されています。

この本は、組織心理学としてだけでなく、私たち個人としても失敗から学ぶためにどうしたらよいのかのヒントになるのではないかと思います。

マシュー・サイドさんとはどんな人?

1970年生まれ。英『タイムズ』紙の第一級コラムニスト、ライター。オックスフォード大学哲学政治経済学部(PPE)を首席で卒業後、卓球選手として活躍し10年近くイングランド1位の座を守った。英国国営放送協会(BBC)『ニュースナイト』の他、CNNインターナショナルやBBCワールドサービスでリポーターやコメンテーターなども務める。(本書「失敗の科学」より抜粋)

マシュー・サイドさんについて、本書より経歴を抜粋させていただきました。オックスフォード大学を首席で卒業して、卓球選手としてイングランド1位というのは、ちょっと変わった経歴だなと個人的に思いました。

失敗は避けてはならない!?

私が本書のタイトルをみて読もうと思った理由として、本書を読むことによって「避けられる失敗を、しっかりと避けられるようなりたい」と考えていました。

しかし、私が本書を読んで一番学んだことは、「失敗は避けられず、避けてはならない」ということです。

一つのポイントとしては、そもそも失敗しないことはほぼ不可能です。失敗していないというのは、失敗したことを認めていないだけ、ということが多々あるということです。

失敗しない組織の本当の姿というのは、失敗していないのではなく、失敗を隠蔽しているだけなのです。

失敗しているのに、失敗を受け入れられなければ、いつまでも失敗から学ぶことはできません。

失敗を受け入れ、失敗から学び、改善してくということは、組織的にも個人的にも高度なスキルです。

失敗を前提で計画し、失敗からフィードバックを得て試行錯誤して改善していくというプロセスを設計の中に事前に入れておくことが、非常に重要なポイントとなるのです。

失敗から学ぶためのモチベーション

失敗を受け入れためには、失敗に対する捉え方を変えることが非常に重要です。

失敗には良い側面があるとマインドセットを変える必要があります。

そのためのマインドセットとは「成長マインドセット」に通じていると思います。失敗を受け入れて、失敗から真摯に学ぶことで成長していくことができます。人は成長できるというマインドセットを持つことがポイントだと考えます。

逆に、「固定マインドセット」の場合、失敗はあなたに価値がないと示す材料になってしまいます。あなたの輝かしい経歴に傷をつけうる失敗を決して受け入れられないでしょう。

成長マインドセットという考え方については、以前「マインドセット」という本について紹介させていただきました。非常に面白い本ですので、良かったらご参考にしていただければ幸いです。

失敗から学ぶための組織づくり

失敗から学ぶためには、まず第一に失敗を批評してはいけません。

失敗したことについて、厳しい批判をしたりペナルティを課すことは、逆効果です。批判やペナルティに対する恐怖が失敗を隠し、失敗から学ぶためのチャンスを奪ってしまいます。

懲罰は人を勤勉するという認識が間違ったものであることが示唆される。

「責任をかすことと(不当に)非難することは全く別のこと。非難すると、相手はかえって責任を果たさなくなる可能性がある」(本書P251~253を参考)

という点は、非常に示唆的です。

失敗から学ぶためには、失敗を隠さなない、オープンな組織を作ることが重要です。

大切なことは、失敗の数の多寡で組織の優劣を判断するのではなく、失敗が多いということはそれだけ隠さず報告しているということです。失敗を隠さず報告し、現実を受けいれて改善していく文化を育むことです。

まとめ

本書では、さまざまな事例を交えて、失敗をどのようにとらえることで失敗から学べるのかを丁寧に解説してくださっています。まず、物語として非常に面白いです。そして、私にとっても改めて学びの多い書籍だと感じています。

成長マインドセットを身に着けて、失敗を恐れず挑戦し、失敗から真摯に学び、成長して価値あることを達成していきたいと強く思います。

あくまで私の感想であり、読む人によっては感じ方や捉え方、解釈の仕方が変わってくると思います。

もし興味をもっていただけたら、ぜひご一読いただけたらきっと学びがあると私は思いますので、ご参考にしていただければ幸いです。

どうもありがとうございます。