こんにちは、nonoです。今回ご紹介したい本は「イシューからはじめよ」という本です。
まず「イシュー」って何なのでしょう。英語でイシューとは「issue」と書き、いろんな意味があるのですが、ここでは「重要な点、問題点、議論点」といった意味にフォーカスされていると思います。
なぜ著者は日本語で「重要な点、問題点」と言わず、イシューという言葉を使ったのか気になるところです。著者の安宅和人さんは、東京大学をご卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーで勤務され、その後、イェール大学にて脳神経科学をご専攻されて学ばれました。
米国の超優秀な企業から、超有名なイエール大学と、ものすごいエリートです。そして、その中で英語にて学ぶ機会も多く、おそらく日本語にはない非常に微妙なニュアンスの違いが、この「イシュー」という言葉には含まれているのだと思います。
本書の中で、明確に「イシューとは何々」と定義が書かれているわけではありません。さまざまなケーススタディ的、複層的な説明の仕方で、著者の考える「イシュー」の概念がなんとなくわかってくるように思います。
そして、どうして「イシュー」から始めることが大切なのか、これを本書から読み取っていくと、自分の仕事や人生の生産性を向上させるためのヒントが多く散りばめられていると私は思います。
著者の安宅和人さんについて
前書きにも記載しましたが、本書のご紹介を抜粋しますと
- 東京大学大学院生物学専攻にて修士号取得
- マッキンゼー・アンド・カンパニー入社 4年半勤務
- イェール大学・脳神経外科プログラム入学(3年目9か月で学位取得)
- 2001年末、マッキンゼーに復帰に伴い帰国
- マーケティング研究グループのアジア太平洋地域の中心メンバーとして活躍
- 新人教育として「問題解決」「分析」「チャートライティング」などのトレーニングを担当
などなど、、大変すごい経歴です。注目すべきは、マーケティングで活躍しながら、新人教育として問題解決や分析についても取り組まれている点かなと思います。
教育担当として、ビジネスや研究などの課題のなかで、どのように考えることで成果に結びつくのかを伝えてこられているのではと想像します。
本書にて著者の考え方の本質の部分を知るチャンスになるのではないかと思います。
常識を捨てる。そして「イシュー」とは何か。
本書の一番最初に取り上げられているテーマとして、「イシューからはじめる」とはまず常識を捨てることだとあります。
イシューという抽象的な概念についてなんとなくとらえるための例として、以下のものが一番よいなと個人的には感じています。
- 「問題を解く」より「問題を見極める」
- 「解の質を上げる」より「イシューの質を上げる」
- 「知れば知るほど知恵が湧く」より「知りすぎるとバカになる」
- 「1つひとつを速くやる」より「やることを削る」
- 「数字のケタ数にこだわる」より「答えが出せるかにこだわる」
まだ抽象的ではありますが、なんとなくイシューとは何かが表されているように思います。
本書では、ところどころ英語をカタカナにした表現が多いのですが、おそらく著者の長い米国でのご経験からかなと推察します。
そこで、これも最も序盤に触れらえている考え方なのですが、「バリュー(価値)」のある仕事とは何か、についてです。
「バリュー(価値)のある仕事」=「問題の大きさ × 解決の質」
この考え方を意識するだけでも、自分の仕事の生産性が大きく変わるのではないかと感じています。
つまり、価値のある仕事とは、問題解決の質なのです。
どんなに大きな問題・取り組む価値のありそうな影響の大きい問題であったとしても、質の高い解決できなければ、それは価値のある仕事にはなりません。
一方で、どんなに質の高い解決策をもっていたとしても、誰も困っていない問題を解決しても、それはやはり価値がありません。
問題のニーズの大きさと、それを解決することで、価値を提供できるのです。
そこで、「イシュー」とは、問題の中でも「影響力が大きくて、解決できる問題」を表していると、私は本書を読んで感じております。
「イシューから始めよ」とは、「価値ある仕事を行うためには、まず影響力が大きくてかつより良い解を出せる課題を見極めることから始めよう」ということだと、言い換えられるのではないでしょうか。
本書では、ではどうやってイシューを見極めていくのか、そしてイシューをどのように人に伝えるのかについて、非常に多くの事例やサンプルを交えて解説してくださっています。
まとめ
この本を読むのは、まだ2~3回目ほどなのですが、読んでみると非常に面白く勉強になる考え方だなと思います。
イシューから始める。つまり価値のある課題は何かを見極める。非常に大切な作業だと強く感じます。
疑問や問題が何かわかることで、その問題の半分以上は解決しているのだと、よく言われますが、やみくもに問題だけをピックアップしても、実際は途方にくれてしまいます。
大切なのは、数ある課題の中で、センターピンになる取り組むべき課題を見極めて、その課題に集中して全力で取り組むことだと思います。
本書は、その取り組むべき価値ある課題を見極めて、より質の高い解を導き出してくための手法を学ぶヒントになるものだと思っています。
私も2~3回読んだ程度では、理解しきれていないことが多々あります。本書を読み、考え方を自分なりにつかっていって、その本質を自分が本当に理解できるようになっていきたいと強く思います。
皆さんも、もしご興味が湧いたらぜひご一読いただけたら幸いです。