こんにちは、nonoです!
本日ご紹介したい本は、ドナルド・サルさん、キャスリーン・アイゼンハートさんの「SIMPLE RULES」です。
著者について
ドナルド・サルさんは、グローバル・ビジネスの戦略と実行における専門家。MIT(マサチューセッツ工科大)スローン校上級講師です。
キャスリーン・アイゼンハートさんは、スタンフォード大学工学部の教授です。スタンフォードが運営するテクノロジー系起業家をサポートするプログラムの共同ディレクターとのことです。
MITにスタンフォード大学と、世界最高峰の大学の先生方が共著した成功する組織に共通している「シンプルなルール」に関する本になります。
ルールはできるだけシンプルがよい
個人であれ、組織であれ、政府であれ、ルールはできるだけシンプルな方がうまくいく!
組織や自分自身を統制するために、複雑なルールを作るとうまくいかないそうです。なぜなら、判断する基準を覚えきれない。
ゆえに、たとえば判断するたびにハンドブックを参照するなど、効率も悪いし、文化や習慣として身に付きにくいことになります。
また、現場では、イレギュラーが発生するなど、さまざまなパターンが起こりえます。
すべてのパターンを事前に予測することは不可能です。にもかかわらず複雑で緻密なルールを作ってしまうと、ルールにないことは実行できないことも起こりえます。
シンプルなルールとは、その企業の文化や個人の生き方としての原理原則となるものです。
原理原則を守り、それを基準に判断するだけで大きく間違えることがない、というルールを構築することが理想なのです。
本書では、「シンプルルール」を作るとはどういうことか。そして、私たちにとって最適な「シンプルルール」の作り方について、経験豊富な著者が様々なヒントを与えてくれます。
また、シンプルルールは、先日ご紹介した本「エッセンシャル思考」と合わせても活用できるのではないかと思います。
より良いルールを作ることで、判断に迷うことが減少し、生きやすくなることもあると思います。
シンプルルールの4大特徴
シンプルルールの4大特徴は、次の4点です。
- ルールが少ない
- 使う人に合わせてカスタマイズできる
- 具体的である
- 柔軟性がある
いかがでしょうか。すべてを満たすルールというのは、なかなか難しそうです。特に具体的なのに、柔軟性があるなど可能なのでしょうか。
一つ、本書で挙げられている例を参照させていただくと、戦争や災害時に負傷者(負傷兵)を重症度や緊急度で振り分けるシステム「トリアージ」があります。
トリアージは、次の3つのルールで、4つのタグをつけます。
- 指示に従えるか
- 脈拍数が毎分120未満か
- 呼吸数が毎分10以上30未満か
このルールに従って、緑ー軽傷群、黄ー待機的治療群、赤ー最優先治療群、黒ー死亡群のタグ振り分けます。治療の優先順位は、赤⇒黄⇒緑⇒黒、となります。
これは一見残酷なように思いますが、助かる命を最優先に治療するという原則によるものです。これによって、治療者は良心の呵責や迷いなく、全力で治療に専念することができます。その結果、より多くの命を助けることができるようになっているそうです。
シンプルルールには、「スピード」「実行力」「柔軟性」が伴うのです。
まず「いちばん大切なこと」を見わける
シンプルルールを作成するためには、まず最初に一番大切なことを見分ける必要があります。この点は特に、エッセンシャル思考と近い考え方のように感じています。
一番効果的でボトルネックとなることをシンプルルールにすることが大切です。
そのことを踏まえて、次の3種類のルールの作り方が紹介されています。
- 「境界線ルール」ーやるか、やらないか。
- 「優先順位ルール」ー少ない資源を最大化する
- 「停止ルール」ー必ず”引き時”を決めておく
何かが発生するときには、「最初の判断」が運命を左右することが多いです。瞬間的に最良の判断をするためには、上記3つのルールを決めておくと非常に効果てきだと思います。
私の個人的な経験の一つとしては、「株式投資」があるなと思います。
それぞれを当てはめて考えてみます。
①株式投資をするか否かー>将来的に資産を増やせる可能性が高いと自分で納得できること。
②優先順位ルールー>短期的資産の最大化よりも、長期的に資産を最大化する。また、ポートフォリオを細かくメンテナンスしたくはないので、長期的に右肩上がりが期待できるものを最優先で投資する。
③停止ルールー>短期の損切りはしない。ただし、もし世界情勢が一変するような事態が発生する場合は見直す(米国経済や政治、天変地異、など)
①~③を満たす投資として、米国株の長期的な成長は、今後も信じることができると考えており、長期目線では米国のインデックス投資を行う、という判断を行いました。
長期的な成長を信じているため、停止ルールが少々曖昧な点が、私のルールとしては甘いところだなと感じています。しかし、考え方としてはシンプルになっていて、判断がしやすいなとは個人的に感じています。
まとめ
本書のさわりの部分について、私の感じた点をまとめてみました。本書を読んでいただくと、ルールを最小限にすることや、実践編としての重要ポイントを実例を交えながら紹介されています。
シンプルであるがゆえに、最良のシンプルルールを作成するのは難しいと感じるかもしれませんね。私も難しいと思います。
しかし、その苦労をする価値は十分にあります。より良いシンプルルールを作成することができれば、その効果は絶大です。
皆さんにとっての最良のシンプルが作成できることを祈っています。
本書がご参考になれば幸いです。