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本紹介

本紹介#23「幸せな選択、不幸な選択」行動科学で最高の人生をデザインする

こんにちは、nonoです。本日ご紹介したい本は、ポール・ドーランさんの『幸せな選択、不幸な選択』です。

ポール・ドーランさんとは

本書紹介より、ポール・ドーランさんとは、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの行動経済学教授です。

ノーベル経済学賞を受賞されたダニエル・カーネマンさんからの招聘により、プリンストン大学で研究員を務めて、論文を共同しています。

英国家統計局および米国科学アカデミーに対し、国民調査で幸福度を測定する手法について助言をされています。

幸福とは何か

本書の一番最初のトピックスですが、個人的には一番大切なところだと思っています。

「幸福とは何か」について明確に定義せずに議論を進めても、まったく意味がありません。

本書で主張されている幸福とは、ずばり

「幸福 = 快楽 + やりがい」

です。「やりがい」を幸福の重要なファクターに入れていることが斬新であり、納得感が大きいのです。

「幸福とは何か」については、それこそギリシャ哲学、アリストテレスやプラトンの時代から長く議論されてきました。哲学的にも重大なテーマの一つと言えます。

そこで、幸福とは「快楽である」というのが、比較的に一般的な答えというのが私の印象でした。「快楽」というと、また漠然としているのですが、快適な環境・お腹いっぱい食べられる(食べた)状態・美味しいものを食べる・イケメンや美しい人を恋人とする・良い服を着る・・・など、様々なことが想像されます。

この考え方でいくと、お金をいっぱい持っていて、何不自由なく、贅沢に生きることが幸福に最も近いことになるような気がします。

しかし、本当にそうなのかというと、そうでものないのではないか、というのが本書で感じました。

ここで重要なことが「やりがい」というファクターです。

例えば「子育て」は、大人にとって大変な作業です。お金もかかるし、時間もかかります。手間もかかります。もし、「快楽」だけが幸福の定義であるならば、果たして子供を持つことが人にとっての幸福なのかというと、実はそうでもないというのが最近の研究でも指摘されているそうです。

なにより子供を持つことで「自由」がかなり制限されます。責任が発生し、自分一人で気楽に生きていくわけにもいきません。この「不自由」さが、幸福の障害になりうるということです。

ですが、やりがいという要素で見たときには、大きく変わります。「子育て」というのは、確かに大変ですし、自分の快楽を犠牲にしても子供を育てることになりますが、自分の子供が成長していく姿を見ることは、この上ない「やりがい」「生きがい」も感じさせてくれれものです。

一つの例として「子育て」を上げましたが、このように「快楽」と「やりがい」がトレードオフとなっているけれども、2つとも幸福の要素とみることで、より広い意味で「幸福とは何か」を捉えなおすことが大切だと思うのです。

プロセスを楽しむことが大切

幸福を「快楽」と「やりがい」で捉えなおすことで、何が良いのかといいますと、プロセスそのものが幸福である、と認識できるのです。

何にか目的・目標を達成することは、「快楽」としての幸福の一つです。

では、その過程で様々な困難や苦痛があったときに、その過程は不幸なのでしょうか。

実は、そうとは言えないのです。目標達成までのプロセスそのものは、「やりがい」というファクターによって、幸福のもう一方の側面を感じることができるのです。

ただし注意点があります。もしその過程が本当に「苦痛」だけならば、やめた方が良いかもしれません。人間は未来の幸福について、非常に勘違いしやすい生き物です。

例えば、「お金持ちになれば幸せだ」、「いっぱい勉強してお医者さんになれば幸せだ」と思っていたとします。そこまで、すべてを犠牲にして死に物狂いで働いたり、勉強したりして達成したとしても、その過程で友人や恋人などの大切な人を失ったり、独りぼっちになってしまったら、本当に幸せなのでしょうか。

「快楽」と「やりがい」は、幸福の両面でありながら、それぞれはトレードオフの関係があるという側面もあるのです。

大切なのは、「快楽」と「やりがい」のバランスなのです。

自分の価値観に合わせて、このバランスを調整するのが、とても大切なのです。

例えば、「投資」について考えます。「投資」をするためには、投資の種銭を作る必要があります。そのためには、一般的な会社員だと、普段の生活でしっかり節約をし、お金をためて投資に回す必要があります。

でも、節約を優先しすぎると、例えば旅行に行かないや、外食をまったくしない、または自己啓発のために英会話に通うお金ももったいない、などと、人生の質や満足を高める可能性のある支出まですべてやめてしまって、本当に良いのかという問題がありますよね。

どちらも大切なのです。そのバランスは自分で決める必要があります。そして、それを自分で考えて納得できれば、ある時点での我慢は目標達成のための楽しいプロセスとなりうるのです。

目標達成と、目標達成のためのプロセス、すべてを楽しめるようになると、すべての道筋から幸福になることができるのです。

幸福は適切な注意の配分の仕方で変わる

すべての現象や出来事には、さまざまな解釈、側面があります。

その側面の中で、適切なプラスの側面に注意を向けること。

それから、仮に傍から見たらつらいことがあっても、自分にとって本当に大切なこと、重要なこと、楽しいこと、やりがいのあることに注意を向けることで、不幸に注意が向かずに乗り越えていくことができます。

ここでも「快楽」と「やりがい」のバランスが大切ですが、注意もマインドフルに「快楽」や「やりがい」に向けることで、幸福な生き方ができる可能性が高まるのです。

まとめ

本書を読んで、私が特に大切だなと感じた点を忘備録としてまとめてみました。

本書を読んでいただくと、幸福のための「決断」「設計」「実行」というプロセスを事例を交えて丁寧に解説されており、生き方として大変参考になる点があるように思っています。

もし興味が湧いたら、ぜひご一読いただけたら幸いです。

どうもありがとうございます。