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本紹介

本紹介#16「シングルタスク」一転集中術

こんにちは、nonoです。本日ご紹介したい本は、デボラ・ザックさんの「シングルタスク」です。

デボラ・ザックさんについて

本書より引用いたしますと

”コーネル大学ジョンソンスクール(経営大学院)の客員教員を15年以上にわたり務め、マネジメントスキルやネットワーキングについて講義を行う。アメリア教育省、コーネル大学、メンサ、スミソニアン協会、ロンドン・ビジネススクール・・・など100を超える企業、団体にリーダーシップ、マネジメントなどの指導を行う”

マネジメントスキルやリーダーシップの専門家ということですね。

人間はそもそもマルチタスクができない

人間の脳は、そもそも一度に一つのことしかできません。

しかし、電話をしながらパソコンを操作したり、人の話を聞きながらテレビを見たり、音楽を聴きながら運転をしてみたり、、、様々な場面でマルチタスクのようなことをしていますね。

これは、富岳のようなスパコン(スーパーコンピューター、大規模並列計算機)のように、物事(タスク)を並列に処理しているのでは決してなく、意識(集中)を何度もスイッチしているだけなのだそうです。これを本書では、マルチタスクではなく、「タスク・スイッチング」と呼んでいます。

コンピュータでいえば、脳はCPUに当たります。先に述べた並列計算機というのは、たくさんのCPUを搭載していて、タスクを並列に処理することで高速に大データを処理します。

しかし、人間の脳は一つです。

タスク・スイッチングを繰り返しているとどうなるかというと、すべてのタスクが中途半端になり、作業の質が落ちてしまうのです。

「一点集中」で生産性を最大化することが重要なのです。

シングルタスクの原則は?

まず「マルチタスクを封印する」と決めましょう。

マルチタスクは役に立たないどころか、そもそも存在しないと著者は言っています。

ところで、私たちは生活の中で、音楽を聴きながら運転をしたり、読書をしたり勉強したり、家事をしたり、複数のことを平行にやってもあまり能率が下がらないなと感じるものあります。

効率を下げずに「同時にできる」タスクは、複数の作業が脳の同じ場所を使わない作業です。お互いの作業が干渉しない作業ともいえます。

したがって、そこそこ集中力を必要とするような作業を2つ以上同時に行うことは不可能ですが、意識的な努力を必要としない活動は、メインの作業と同時に行うことができます。

つまり、無意識にできるほど習慣化した行動は、並行して行うことができるのですね。この感覚が「マルチタスク」ができると勘違いさせてしまうのかもしれません。

しかし、例えば音楽を聴きながら勉強していて、ふと好きな音楽が流れてきて、そちらに集中をもっていかれた経験はないでしょうか。

このときは、勉強に使っていた集中するための脳の部位との干渉が発生して、タスクスイッチングが発生しています。当然のことながら、勉強の能率が低下します。

ゆえに、いかに無意識に行える行動とはいえ、脳の意識を持っていかれる原因となることから、注意しなければなりません。

原則としては、何があっても「マルチタスク」を試みないと決めましょう。

「空白の時間」に考えていることを意識する

本書を読んで個人的に大切だなと思ったところの一つです。

私は、勉強、読書、仕事など大事なタスクをしているときにもかかわらず、過去の失敗や心配ごと、将来への不安などが湧き出てきて、それに意識を持っていかれて集中できない、ということが良くありました。

この性質は、学生の時がとてもひどくて、高校受験、大学受験など大切な試験勉強の際に非常に大きな障害となっていたことを覚えています。

最近ではだいぶん改善したものの、まだそのように作業中に他のことを考えてしまうということは起こります。

皆さんにも似たようなご経験はないでしょうか。

飽きもせずに同じことを繰り返し不安に思うのは、大いなる「時間の無駄遣い」です。この思考は私たちの大切な「時間」を奪う時間泥棒ですね。

まず大切な第一ステップは、このように反芻思考に陥っていることを「意識すること」です。

そして、過去についてくよくよと考え続けるのも不安な将来を思い描くのも、無益なだけでなく、「怠惰」なことだと、著者は言います。

全くその通りですね。過去も未来も私たちは結局変えることはできません。できるのは今ここで、やるべきタスクに全力で取り組み少しでも成果を上げることです。

マルチタスクで脳が委縮する!?

私が本書を読んで怖いなと思ったとの一つに、「複数の要求」に(同時に)直面すると脳の機能が落ちる、といことがあります。

本書より「競い合うように押し寄せる多数の刺激に身をさらしていると、脳が縮む」そうです。

「前頭前野は過剰なストレスに常にさらされていると、縮んでしまう。偏桃体も委縮し、恐怖、攻撃、不安といったネガティブな感情が脳に氾濫する。すると脳の灰白質が縮み、認知機能がうまく働かなくなる。

多くの成果をあげようと頑張りすぎると、明晰な思考ができなくなるのだ。度を越した多忙な生活を続けていると、思考と感情をつかさどる脳組織の委縮を招く

いかがでしょう。マルチタスクや度を越した多忙な生活は、脳の構造まで変えてしまい、取返しのつかない事態を招くかもしれません。

昔、テレビを見ながら携帯を使うと「バカになる」というのを聞いたことがあるのですが、本当だったのかもしれません。

まとめ

マルチタスクがいかに有害であり、そもそも人間の脳が対応していなこと。マルチタスクをやめて、シングルタスクを行わなければ、脳が委縮して、感情と思考をコントロールできなくなっていくこと。

これらのマルチタスクのデメリットにフォーカスしてまとめてみました。

本書を読むことで、もっと詳しくマルチタスクとシングルタスクの違い、メリットとデメリットを知ることができます。

そして、どうやってシングルタスクを実践していけばよいのかについても、詳しく解説してくださっています。

もし、興味が湧かれたら、ぜひ本書をご一読いただければ幸いです。

前回おすすめした、「エッセンシャル思考」や「シンプルルール」と合わせて読むと、相乗効果を発揮するのではないかな、と個人的には思っています。

ご参考になりましたら幸いです。