こんにちは、nonoです。今回ぜひご紹介したい本は、モーガン・ハウセルさんの「サイコロジー・オブ・マネーです。
2020年秋に米国で刊行されるとベストセラーとなり、2021年12月に日本語訳が発行されたばかりの書籍です。
この本は個人投資をしている人はもとより、すべての人に、できるだけ若くて早い時期に読んでいただきたいと強く思う本です。若ければ若いほど、早くこの知識をしっていることで、人生の中でお金に不安を感じるリスクというものを減らすことができると考えています。
モーガン・ハウセルさんとは?
著者のモーガン・ハウセルさんは、ベンチャーキャピタル「コラボレーティブ・ファウンド」でパートナーを務める現役の金融プロフェッショナルです。
さらに、ウォールストリートジャーナル紙などでファイナンス関連の記事を投稿する気鋭のコラムニストとしても活躍されているそうです。
私は、金融のスペシャリストでありながら、「富」と「幸福」に関する堅実な姿勢にとても感銘を受けました。
「「貯蓄」をするのに特別な理由はいらない。とにかく貯蓄せよ。」という著者の考え方の根本となる理由が本書の中で語られており、大変共感しています。
本書について、私の忘備録としてもまとめますが、詳細はぜひ本書を一度手に取って読んでいただくことを強くお勧めいたします。
物事がうまくいっているときは慎重に、うまくいかないときは寛容に
個人的に非常に印象に残ったメッセージとして「何事も見かけほど良くも悪くもない」ということです。
例えば、宝くじの当選確率をインターネット検索すると、2000万分の1(0.000005%)らしいです。(参照先:https://news.yahoo.co.jp/articles/220da2e266ccf6379a101331eaf90af1b372b7de)
一方で、飛行機に乗って死亡事故に遭遇する確率としてインターネット検索すると、0.0009%(アメリカ国家運輸安全委員会調べとのこと)らしいです。(参照先:https://ecompliance.co.jp/RISK/aircraft.html)
この確率を比較したときに、どちらもものすごく低くてレアケースだと片付けてしまうのは簡単です。
しかし、宝くじに当選する確率よりも、飛行機事故で死亡する確率の方が180倍も高いことがわかります。
つまり、1回宝くじに当たる間に、180回飛行機事故で死亡しているかもしれないのです。
ものすごいレアケースを引いたのは同じなのに、大きな違いですよね。どんなに良い人でも、悪い人でも、幸運も不運も確率としては同じです。つまり、たまたま良い結果を得られたとしても、同じくらいの確率で不運を引いてしまう可能性だってあるわけです。
したがって、今もし成功していても、それは数パーセントの幸運にも支えられている可能性があり、成功するほど謙虚になりましょう、というメッセージを著者は与えてくれています。
これは私の感じたことですが、逆にたまたま不運に見舞われていたとしても、あきらめずに努力をし続けることも大切です。それが、いつか幸運をひっかけて成功することもあると思うのです。
本書では、大成功したビルゲイツさんの例など、もっと具体的でわかりやすい例がありますので、気になるかたは是非本書を読んでみてください。
エゴを減らせば、豊かになれる
これもすごく大切なメッセージだと感じています。
エゴとは、「虚栄心」のことかなと思っています。人に良く思われたい、尊敬されたいと思うとき間違ったアプローチをしてしまいます。
本書の例で印象的だったのが、人にかっこいいと思われたくて高級車を持っていたとします。その車に乗っている自分を想像して、酔いしれるかもしれません。
周りの人もすごいなーと思ってくれるでしょう。ただし、ものすごく印象的だったのは、周りの人は、車の所有者であるあなたではなく、車の方を見ているんだよ、ということです。
これは、高級ブランド品を身に着けていても同じで、高級ブランド品は見栄えが良く、人はちやほやするかもしれませんが、それはブランド品に対してであって、あなたに対する尊敬ではないのだよ、ということです。
確かに、自分が逆の立場を想像して、フェラーリのような車を持っている人、エルメスの財布とかスーツとか高級ブランド品を身に着けている人を見たときに、おそらくそいう風ものを自分が身に着けていることを想像してうっとりしますが、決して身に着けている本人に興味があるわけではないな、、、と感じました。
結局、そういう嗜好品にお金をかけることは自己満足とエゴでしかなく、自分に尊敬を集めたいという本当の目的を達成することはできないと認識する必要があります。
もちろん、本当にそのブランドが好きで、自分が満足するために浪費をするのはいいのです。人間、すべてを合理的に生きているわけではないのですから。
ただし、貯金とは、「収入からエゴを差し引いたもの」と本書では示唆されています。
エゴにどれだけお金を使うか、エゴの虚構も認識しながらしっかり考えていきましょう。
「夜、安心して眠れること」を優先してお金の管理をすべし
私自身も日本株や米国株投資をしているため、このメッセージも非常に印象的です。
株への投資判断を行うとき、右肩上がりの成長をしている強気相場では、一気に資産を投入した方が投資効率が良いです。また、大きな成長企業を選択することができれば、短期間に資産は爆増します。
2020年は、コロナショックによる株価暴落から、FRB及び各国の金融緩和政策によって、最短で弱気相場が終了して株価が急上昇しました。
特に、テスラ、Zoomやロクなどといったハイパーグロース株の株価が爆上がりしており、このような銘柄に資産を集中投資していた方は、ものすごい利益を得ていたかと思います。
しかし、Zoomやロクなどのハイパーグロース株関連は、金融緩和政策の終了と利上げ予測もあってその株価を爆下げしています。
非常にボラティリティの高い難しい投資になっています。このような銘柄に投資していた場合、買い時・売り時のタイミングを少しでもミスると、資産をあっという間に溶かしてしまうでしょう。
一般的には安心して眠れない方が多いのではないでしょうか。私は、不安で株価チャートや市場ニュースなどが気になって眠れなくなっていただろうなと考えています。
もちろん、人によってはそういう投資スタイルが合っているという人もいるかもしませんし、否定は全くしません。
ただし、頭で考えるよりも実際に自分で投資をしたときに、その資産喪失への不安というのは、想像以上に大きいです。不安を抱えたまま生きるのもつらいと思うので、自分のリスク許容度に合わせて最適なリスクを取るようにしたいものです。
また、著者の考え方で、安全領域をしっかりとるために「現金」の保有率を高めに設定するというのも大切なリスクヘッジだと、私は思いました。
投資で結果を出すための最大の秘訣は、時間軸を長くすること
先の「安心して眠れること」を優先してお金を管理することにつながります。
株式投資では、米国経済の成長は200年以上にわたって右肩上がりであることが知られています。その中では、数々の戦争、リーマンショックなどの経済危機、コロナショックなど、何度も暴落を経験してきました。
それでも力強く成長しているのが米国経済です。
したがって、米国インデックス投資が投資の最適解の一つと言われています。
ただし条件が一つあります。米国インデックス投資で最も大切なのは「長期的な継続」です。これから先、どんな大暴落があっても米国経済の成長を楽観的に信じて株を売らずに持ち続ける必要があります。株式市場から退場しないことが重要なのです。
そのためには、安全圏としての「現金」を持ったり、自分のスキルを磨いて稼ぐ力をつけておき、株をガチホコすることが必要なのです。
うまくいかないことがあっても問題ないと考える。半分は間違っていても、資産は増やせる
これも私にとっては大切なメッセージです。
例えば、株式市場においても、「長期的な継続」と同じくらい大切なことに「広く分散すること」があります。
これは、分散することで、ある銘柄は暴落しても、ポートフォリオ全体でマイルドに成長していけば資産はしっかり増えていきます。
米国株インデックス投資の最適解としての分散の方法の一つとして、投資比率を時価加重平均という方法です。これは、企業規模が大きいもには大きく投資し、小さい規模には小さく投資するというものです。
バンガードのS&P500に連動するVOOや、米国全体に投資するVTIなどがあり、これらに投資を長期的に行うというのが、最近のトレンドかなと思っています。
また、ビジネスにおいても似た側面があり、一つ目のビジネスで失敗しても、何度もトライすることでいつか成功を引く可能性があります。10個トライして1個が当たれば、投資に対するリターンとしては見合う可能性もあるのです。
一つの考え方として大切だなと思います。
まとめ
私の忘備録もかねて、本書の大切だなと感じた点をいくつかまとめてみました。
私の言葉では伝えられないこともたくさんあります。
本書はお金での心配ごとを減らすために、できるだけ早い時期、年齢で読むことを個人的にはおすすめいたします。
ご参考になれば幸いです。