こんにちは、nonoです。本日ご紹介したい本は、ハイディ・グラント・ハルバ―ソンさんの「やってのける」です。
ハイディ・グラント・ハルバ―ソンさんの本を紹介するのは何冊目か!、というほど紹介させていただいてます。本当に面白い本ばかり書かれる方だと強く思います。
モチベーションややる気、物事や目標を達成するために心理学的に正しいアプローチを知るためには、この方の本を読むのが非常に役に立つと考えています。
本書の中で、私の言葉で重要であると思ったところを整理してまとめてみたいと思います。あくまでも私の解釈も含まれている部分があり、正確なところはぜひ本書を読んで、皆さんの言葉で理解されることを心からおすすめいたします。
目標のタイプには大きく2つある
本書では、目標に対するモチベーションとしては大きく2つのタイプがあることが紹介されています。
「獲得型」の目標(目標達成によって得られるメリットに着目する)
「防衛型」の目標(目標達成を達成できなかったときの損失(デメリット)に着目する)
です。
これらのどちらのタイプが良いのか・悪いのか、ということではありません。
もっとも大切なことは、達成したい目標の内容や質によって使い分けるべきだということでです。
獲得型の目標
獲得型の目標は、自分に十分達成可能な能力が備わっており、自分にとって簡単に達成できる課題に対して非常に有効なアプローチとなります。
仕事の効率を上げたり、スピードを上げていこうとするとき、達成することによって得られるメリットに着目するとモチベーションが非常に上がります。
自分の力を証明しようというのも、獲得型の目標の一つです。他人からの賞賛や承認を得ることもモチベーションが短期的には上がります。
一方で、獲得型の目標のデメリットは、難しい問題に立ち向かう場合です。難しい課題はすぐに解決することができないことが多く、粘り強く取り組む必要があります。
しかし獲得型の目標では、自分の有能さへの自信などがモチベーションの背景にあるため、簡単に解決できない問題に遭遇すると、途端に自分の有能感に疑問を呈してしまい、自信を失ってしまいます。そのため、獲得型の目標ではやる気がなくなってしまうのです。
防衛型の目標
防衛型の目標は、自分にとって困難な問題に取り組むときに粘り強くアプローチするモチベーションを高めてくれます。
防衛型の目標は、これを達成できなかったときに失うことに着目するため、むしろ難しい問題であるほど、頑張らなければならないというモチベーションが上がるのです。
防衛型の目標は、自分の成長にフォーカスする「成長マインドセット」とも非常に親和性が高いです。
満足の3大要素
自分の満足をもたらす3つの要素が非常に秀逸です。この3つの要素を満たすことができれば、本当に幸せを感じられるのではないでしょうか。
- 関係性
- 有能感
- 自律性
「関係性」は人間関係の充実です。他者との結びつきや、相互に尊重しあえる関係を構築することです。
「有能感」は、自己効力感ともいえるのではないでしょうか。周囲への影響力やそれによって何かを得ること。好奇心や自発的な学び、困難の克服や達成感などが考えられます。
「自律性」は、自由にかかわることです。自分で自分の人生をコントロールできている、ということは人生の満足の中でも非常に重要な位置を占めると思います。
目標を達成していくにあたり、これら3つの満足の要素をしっかり意識して、本当に有効な目標を立てることがとても重要なことです。
人間の一生は限りがあり、あなたの満足につながらないことを間違えて目標として取り組む時間はありません。
また、目標達成のアプローチもこの3つの要素を意識することです。それによって、モチベーションも上がるし、粘り強く目標達成に取り組むことができます。
まとめ
短期的な目標や簡単な目標には、「獲得型」の目標の目標設定が有効です。
一方で、長期的な目標には「防衛型」の目標設定が非常に有効です。
日本人の多くは性格的な特性として「防衛型」の考え方が多いそうなので、「獲得型」の目標設定は向いていない場面が多いかもしれません。
しかし、これは人によっても、または物事によってもメリット・デメリットがあることなので、自分の特性が「獲得型」か「防衛型」の考え方のどちらによっているのかを認識して理解したうえで、それぞれのメリットが生かせるような目標設定をして行動したいものです。
たった200~300ページほどの本ですが、本当に良い本だと思いました。一般的には、「成長マインドセット」が重要だと言われており、もちろん汎用性が高いのは自分の成長を意識することです。
しかし、本書では、「成長や習得」にフォーカスすることの重要さを示しつつも、獲得型・証明型の特性や生かせる場面の説明もあり、これは時と場合によって使い分けることが実は大切なのだなと、感じました。
このあたりの区別をもっとわかりやすくまとめられるように、何回も読んで自分の人生をより良くするためのヒントにしていきたいと思います。