本書は「睡眠」の重要性が非常にわかりやすくまとめらています。
「睡眠」の重要性については、いろいろと話題なります。最近では、メジャーリーグで大活躍をしている大谷さんが、10時間以上の睡眠をとっていることがフューチャーされています。
一方で私は「睡眠」について、かなり侮っていたようです。私はいままで、睡眠時間は無駄であると考えていました。睡眠する時間があれば、勉強をしてスキルアップしなければならないと、必死でした。
しかし、本書を読んだことで、「睡眠」をおろそかにすることが、健康面や安全面でも非常に危険だり、さらに自分のパフォーマンスが下がって、努力も生かせない(無駄にしてしまう)可能性が高いことが理解できました。
仕事、子育て、勉強などをしていると、毎日8時間睡眠を確保するのは難しいですが、それでも「睡眠」を優先したいと考えるようになりました。
「睡眠」がいかに大切なものであるかを、明確に理解したいという方にはぜひご一読いただきたい本です。
本を読むこと時間がない方は、オリラジ中田さんが「Youtube大学」の中でも本書を取り上げて紹介されていたので、まずそれを見るのも良いかもしれません。
行動するために一番大切なことは、その行動の意味を深く理解し納得していることです。そのために本書が役に立つのではないかと思います。
ノンレム睡眠とレム睡眠の意味
イメージとして、「ノンレム睡眠」は深い眠りであり、「レム睡眠」は浅い眠りで「夢」をみるということはないでしょうか。
このイメージは、おおむねその通りなのですが、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」には、それぞれ明確に意味と役割があります。どちらも欠かすことができない、必要な睡眠です。
「ノンレム睡眠」は、情報を整理して、短期記憶領域にある情報を、長期記憶に保存してくれます。それによって、短期記憶領域がリフレッシュされて、また新しい記憶をすることができます。
一方で「レム睡眠」は、記憶されている情報を統合して、情報の深い理解や統合をします。これにより、新しいアイデアの発見したり創造されます。さらに、情報の意味を再構成することにより、例えば恐怖やトラウマを乗り越える力を与えてくれるなどの効果を発揮してくれるそうです。
ノンレム睡眠の効果
ノンレム睡眠は、情報を整理して長期記憶として定着させてくれます。
したがって、主にレム睡眠によって記憶力が高くなるようです。
例えば、良く寝た方が成績が良くなるようです。
学生のとき、中間試験や期末試験の直前になって、慌てて一夜漬けの勉強をした経験はありませんか?
私の場合、ギリギリまで勉強をサボってしまったために、一夜漬けでなんとか試験を乗り越えようとしたことがありますが、だいたいこの方法はうまくいきません。
当時は睡眠不足ではく、ただの勉強不足が原因だったとは思います。
そこで、逆に受験生になった時は、毎日夜遅くまで勉強していた記憶があります。しかし、一生懸命取り組んでいるはずなのに、試験の成績が上がらず、志望校のレベルに到達できなくて苦しかった経験もあります。
いま思い返すと、勉強しなければという気持ちが焦って、睡眠を4~5時間で勉強してたように思います。本書を読んで、このやり方が間違っていたのだとわかりました。
睡眠不足によってパフォーマンスが下がってしまうと同時に、記憶も定着せず、さらに結果が悪いので自己嫌悪になるという悪循環を引き起こしていたのかな、と思います。
まず8時間寝る時間を確保することを優先し、それから、勉強時間を確保するというやり方をしなければならなかったなと思います。自分の子供には、適切にアドバイスしたいなと思います。
また、大人になってからも、英語や資格の勉強はしており、仕事と子育ての中では睡眠不足になりがちなのですが、記憶を定着させるためにも、睡眠時間を削らないように気を使わなければなりません。
ノンレム睡眠の効果
「レム睡眠」は、情報(記憶)を統合して、新しいアイデアや意味の再定義など、幅広く創造性についての効果があるようです。
「レム睡眠」の間に「夢」を見るのですが、この「夢」は心の守護神として、心理学者ユングによって注目されたこともありますが、これはあながち間違っていないようです。「レム睡眠」よって心理的ストレスやトラウマを再構成して受け入れることを促す効果もあるようです。
また、運動スキルにも効果があるようです。寝る前に練習していたピアノなどの技術が、寝た後にはすらっとできていますという現象があり、このことがわかってきたようです。
運動スキルに習熟するためには、一生懸命に練習をしたら、しっかり寝ることも重要なパーツとなるのですね。
一方で「レム睡眠」が不足したときに発生する怖い現象として、覚醒時に幻覚や妄想をみたり、白昼夢をみたりするようです。
睡眠不足によっておこる怖いこと
睡眠不足によって起こりうることとして、もちろん先に記載した効果がなくなるだけではなく、多くの怖いことがあります。
いくつか本書から私の方で抜粋してみただけでも以下のようなものがあります。
- 交通事故のリスクが高まる(無意識的な一瞬の居眠り運転)
- 病気やアルツハイマーなどのリスクを増大させる
- 6時間以下の睡眠では、本来のパフォーマンスを出せる人間はいない
- 感情のコントロールもできなくなる
- 精神も不安定となる。躁うつ病や幻覚を見るなどの障害を発生させる。
など、これだけでも非常に怖いのですが、本書ではもっと詳しく、エビデンスを交えて記載されています。
まとめ
本書の中では、「睡眠」のメリットも「睡眠不足」のデメリットも非常に詳しく記載されています。
ぜひ、「睡眠」についての興味がある方はご一読いただければ幸いです。
そして、本書を読んでも読まなくても、とにかく8時間以上は必ず寝るようにしましょうね。