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株暴落で利益を上げるプットオプションとは?

こんにちは、nonoです。

YouTubeで金融リテラシーを向上させてくれるとても勉強になる動画を多数投稿されている、両学長のリベラルアーツ大学を、私は毎日拝見して勉強させてもらっています。

金融リテラシーがゼロだった私は、この動画に出会って日々いろいろな勉強をさせてもらって成長している実感を得られています。

今日は、9月16日の動画で紹介されていた積み立てNISAの現状と今後の対策をまとめられている動画から、今後の対策5選の一つ「保険を買う」の中で紹介された「プットオプション」について、個人的に掘り下げて考えてみたいと思います。

(参考)尊敬する両学長の動画です。最近の相場状況での自分のポジションの確認や、今後の対策など大変参考になる内容です。

どうして、あえてこの一つを選んだかといいますと、最近の株式市場の強気相場傾向とリーマンショックによる株価暴落との印象が重なる部分もあり、心配しているからです。

この記事は両学長の動画の内容とはほとんど関連性はなくて、単純にプットオプションについて私が個人的に考えていきたいという内容ですので、ご了承ください。

プットオプションとは?

プットオプションとは、株価や債券が高値感があるときに売値を固定し、保険料としての手数料を払い続けることで、いつでもその価格で売り抜けることができるという手法です。

例えば、ある株価が100万円だったとします。この時、プットオプションで100万円で売値を設定します。

そうすると、この株価が下落して90万円の評価額になったときに、100万円で買ってもらうことができるため、10万円の利益が得られるわけです。

※ちなみに、プットオプションの逆は、コールオプションと呼ばれます。プットオプションとは逆で、価格が上がれば利益となるので、理解しやすいかもしれませんね。

プットオプションのメリットは?

プットオプションのメリットは、まさに株価や債券の下落トレンドで力を発揮します。安くなった株や債券を高値で売ることができる権利であり、バブルがはじけたときには、大きな利益を得られることでしょう。

正確にはプットオプションではなく空売りだったと思いますが、リーマンショックの時に莫大な利益を上げた投資家がいます。リーマンショックでは、過度な住宅ローン債権がデフォルトを生み、AAA評価だった債券が実はゴミ債券であることが露呈して債券価格および金融市場の株価が大暴落しました。

このリスクにいち早く気づいた数少ない投資家が、空売りやプットオプションを使って莫大な利益を上げたのです。

プットオプションのデメリットは?

プットオプションのデメリット(リスク)は大きく2つあるかと思います。

  1. 保険料
  2. 株価・債券が予想に反して情報してしまった場合

プットオプションの保険料

プットオプションのデメリットの一つ目は、売買価格を維持するために支払う必要がある保険料です。保険料を支払うことができなければ、株価や債券価格が下落したときに、空売りすることができません。

したがって、空売りを仕掛けても、想定どおりに株価や債券価格が下がらず推移した場合は、その価格が下がるまでは保険料を払い続ける必要があります。空売り価格次第では、その保険料の負担が大きくなります。

先にも記載しましが、リーマンショックで大きな利益を上げた投資家でマイケル・バーリという方がいます。この方は、サブプライムローンが危険な投資であり、デフォルトがいつ発生してもおかしくなく、価値が大きく下落すると予測し、空売りを仕掛けました。このあたりのことは、「マネーショート」というタイトルで映画化されています。

https://eiga.com/official/moneyshort/

正確な数字は記憶していませんが、数十億ドルの空売りをして、保険料が数千万ドルだったはずです。ネタバレになってしまう部分がありますが、サブプライムローンはデフォルトが発生してもすぐには価格が下がらず、異常な状態でした。それでも、下落のポジションを維持するには、下落を信じて数千万ドルを支払い続ける必要がありました。映画の中で、膨大な保険料を払い続けて苦悩するバーリの姿が描かれています。

映画をみてもらうと、当時の雰囲気として、サブプライムローンを空売りするといのが、いかに馬鹿にされていたかが垣間見られます。自分がいかに正しいと思っていても、他の多くの投資家たちがバブルに浮かれて、サブプライムローンが超優良債権だと信じ込んでいる状況のなかで、空売りを仕掛けるというのがいかに胆力のいることだったのか、と感じます。

したがって、空売りやプットオプションのデメリットとしては、売るまでは保険料を払い続けるという点が上げられると思います。

株価・債券が値上がりしてしまったら

二つ目のデメリットは、空売りを仕掛けた株価や債券価格が上昇してしまった時です。例えば、プットオプションで100万円で売却する権利をもっていたとします。この時、予想に反して価格が上昇して110万円になった場合、あなたはプットオプションにて100万円で110万円の価値があるものを売らなければなりません。

差額の10万円を負担することになり、損失がでてしまいます。

空売りを仕掛けて大きな損失を発生させた事例が最近ありました。

それは、「GameStop」株の空売りを仕掛けた大手投資企業です。

詳細は省略しますが、財務基盤として赤字体質に落ちっていた「GameStop」は大手投資企業によって空売りをされました。この判断には基本的には大きな間違いではなかったと言われています。

ところが、大手投資企業が不当に儲けようとしていると憤りを感じた多くの個人投資家が、数の力で「GameStop」株を買いまくり、株価を吊り上げました。これによって、大手投資企業は、高い株を安い価格で売ることにより、大きな損失を負いまいた。その損失は、企業を破綻に追い込む規模だったようですが、他の投資家企業から損失を補填してもらうことでなんとか危機を耐えたようです。

(参考)https://www.businessinsider.jp/post-228701

このように、プットオプションのデメリットとして、価格が上昇してしまうということがあると思います。

ファンダメンタル分析を行い、プロの判断を行う投資企業でさえ、空売りで必ずしも勝てるわけではないのです。さすがに、個人投資家の怒りによって株価が吊り上げられることを予測するのは難しいですね。また、意図的な株価の吊り上げは本来はやってはいけないのはずですが、多くの個人というところが難しいところです。

最近、バーリ氏は米国長期債券の空売りを仕掛けている

最近、バーリ氏は米国長期債券の下落にかけて、プットオプションによる空売りを仕掛けているようです。

(参考)https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-08-23/QY98PDT0AFB401

プットオプションの規模としては、2億8000万ドル(約300億円)にも達するとのこと。

どうして債券価格の下落に掛けられるかというと、FRBは近いうちにテーパリング(量的緩和の縮小)および長期金利を引き上げて行かなければなりません。特に長期金利が上昇すれば、米国長期国債の価格が下落します。

世界中の投資家が、テーパリングは今年中に開始されるとみています。そのあとに長期金利の上昇があるとおもわれており、長期国債の下落にはもう少し猶予があるのかもしれませんが、遅かれ早かれ長期国債は下落するだろうと思われます。

私程度の分析ではこの程度のことしか予測できませんが、バーリ氏ほどの方であれば、さまざまなデータや指標などを分析して、このタイミングでの空売りをしたのだろうと思われます。

とはいえ、なかなか難しい予測です。最近では中国の不動産市場のリスク、特に恒大集団のデフォルトリスクが顕在化してきていて、米国債券ETFのAGGなどは価格が上昇してきています。もしかしたら、株というリスク資産よりも今後は債券が買われる可能性もあり、そうなると債券価格が上昇してしまうかもしれません。

まとめ

なかなか経験が未熟な個人投資家には、プットオプションを行使して価格下落から利益を得るというのは、かなり高度な技術かもしれません。

株価の買いと、プットオプションを併用して、資産の増減をマイルドにするために使うというのが一つの考え方です。

また、空売りとプットオプションは厳密には違うと思いますが、私自身がこのあたりももっと勉強していきたいと強く思います。

私個人としては、現状ではプットオプションを使用するつもりはありませんが、短期間で自分が取れるリスクの範囲内で使えると確信できる場面がきたら、プットオプションも検討していきたいと思います。